過去の苦労話 第10回:経理の悲鳴と「二重入力」の処刑台
私は残業が大嫌いです。
そして、自分の仕事が片付いても、他部署の誰かが非効率な作業のせいで残業しているのを見るのも、どうにも我慢がなりませんでした。
2000年頃、基幹システムの更新に伴い、会計システムがWindows版の「奉行シリーズ」に変わりました。当時はまだWindows 95/98の余韻が残る中、DOS版の「大番頭」などがブイブイ言わせていた時代でしたが、奉行の登場でそれらは一気に駆逐されていきました。
システムが新しくなり、日次や月次の更新作業から解放され、みんな楽になったはず……。
そう思っていたのですが、締めが近づくと、なぜか経理担当者は連日、遅くまで残業を続けていました。「新しいシステムになったのに、なんでそんなに時間がかかるの?」理由を聞いて、私は耳を疑いました。
なんと、入金処理をする際、「販売管理システム」と「会計システム」の両方に、全く同じ内容を二重に入力していたというのです。
「……そんなの、やってらんないよね!」私はすぐさま動きました。基本は「販売管理」のデータを正とする。しかし、販売管理側では銀行振込の「口座情報」までは管理していません。
そこで私は、「兼用入金入力フォーム」を自作しました。ひとつの画面で入金を入力する。
そのデータは自動的に販売管理システムへ流れる。
会計側には、合計金額付きの「仕訳表附票」を印刷できるようにし、それを元に一括入力で済むようにした。「これで二重入力はなくなる。早く帰れるぞ!」
現場の負担を劇的に減らし、経理さんの「締めの絶望」をひとつ解消したはずでした。……よかった、よかった。
そう一息つきたいところですが、システム屋の眼には、また次の「無駄」が飛び込んできます。一つ不自由を壊せば、また次の壁が現れる。
私の「残業撲滅」という名の越境活動は、まだまだ終わりそうにありませんでした。
(つづく)

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